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米国と北朝鮮のトップ会談が行われる見通しとなり、先週末から円安、株高に大きく振れています。

為替の方は、円高が結構進行していたので、107円と聞いてもそれほど円安感はないと思いますが、株の方は日経平均が22000円、NYダウが25000ドルなど、1年前はそれぞれ18000円や20000ドル付近だったので、ここ1年で大分株価が上昇してきています。

このうように株高になってくると、囁かれ始めるのがこの株高はいつ終わるのかという事です。

世界一の富豪がアマゾントップのジェフベゾス氏になりましたが、前年まで4年連続かつ過去24年間で18回もトップになったビルゲイツ氏が最近のインタビューで、近い将来リーマンショック級の金融危機がまた起きるかという問いに対して警戒しているというような回答をしています。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54805

 

ただ、こういった誰かが言っているから、それに迎合しようというのは、思考停止のギャンブラーです。

投資家はこういった発言を元に自分で数値など客観的な情報を集め、自分なりの結論を出します。

つまりは、いつこの株高が終わるのかなどの予測は著名な富豪が言っている事を鵜呑みにするのではなく、著名な富豪が出している数値に着目する必要があります。

例えば、その一つにバークシャー・ハサウェイの現金比率があります。

 

バークシャー・ハサウェイというのは、世界一の投資家ウォーレンバフェット氏が経営する投資会社です。

発言というのは、その時の状況や心情によって色々と言う事が出来ますが、数値というのは嘘をつけません。
(特に上場会社の財務諸表は監査法人の法定監査を受けているので、よりその信頼性は増します)

 

そして、この現金比率というのは何なのかというと、バークシャーが保有する総資産に対する現金及び現金同等物の比率です。

ざっくり言えば、投資に回しているお金と現金で保有している比率です。

このバークシャーの現金比率が昨年末から以下のようにどんどん増えています(単位:百万ドル)。

<2016年12月末の現金比率>
(23,581+47,338) ÷ 620,854 = 11.4%

<2017年9月末の現金比率>
(35,247+61,352) ÷ 681,554 = 14.2%

<2017年12月末の現金比率>
(25,460+78,515) ÷ 702,095 = 14.8%

 

これがどういう事を表しているかというと、世界一の投資家が、新しい投資先を中々探せていないという現状です。

当然、将来伸びる優良な企業は探せていると思いますが、投資タイミングではないと判断しているという事です。

もちろん、資金規模や投資想定期間など条件が違えば、この投資判断は変わるので、この数値ですら一つの参考にしかなりませんが、自己の投資判断においては、誰かの発言を鵜呑みにするのではなく、こういった客観的な情報(数値等)を積み重ねる事が重要であると考えます。

 

なお、この直近の14.8%という現金比率がどのくらいの数値かというと、以下の通りリーマンショック前の水準とほぼ同じです。
<2006年12月末の現金比率>
37,922 ÷ 248,437 = 15.3%

<2007年12月末の現金比率>
37,703 ÷ 273,160 = 13.8%

 

又、リーマンショック後株価が底だった2008年末〜2009年にかけてはどうだったかというと、以下の通りキャッシュポジションが激減しています(この時期に現金を株に変えているという事です)。
<2008年12月末>
24,302 ÷ 267,399 = 9.0%

<2009年12月末>
27,917 ÷ 297,119 = 9.4%

 

ゆえに、3ヶ月に1度公表されるこのバークシャーの現金比率に着目するだけでも、少なくともバフェット氏が市場(マクロ環境)をどう見ているかは把握する事が出来るという訳です。

 

他にも、客観的な指標としては、政策金利や日銀短観、景気動向指数、倒産件数、有効求人倍率、日経VI指数(恐怖指数)、信用評価損益率、騰落レシオ、PER、PBRなどがあります。

これらを総合的に勘案して、今買いなのか売りなのか静観なのかという戦略を立てる訳です。

 

なお、上記はあくまで長期投資の話で、1日の中で売買が完結するような短期投資(デイトレ)においては一切意識する必要はありません。

ただ、日々私もFXを通じてデイトレをやっていますが、長期投資にも共通するのは分からない時はやらないという事です。

 

FXをやっていると物凄く分かりやすい時、分かりにくい時があります。

当初は全てを分かる状態にするという事を究極的な目標にしていましたが、大事なのは全てを分かる事ではなく、分かる時と分からない時がある事を認識して、分かる時にだけやる事であるという事に途中で気づきました。

これは、上記のバークシャーの現金比率が表しているように、世界一の投資家でも投資出来ない相場があるというのを客観的な数値を持って認識出来た事も大きいです。

 

いずれにしても、発言というのは状況や心情によって変わったり、そもそも本当に価値のある情報というのは明言されず、暗に数値となって表れている事も多いので、この数値などの客観的な情報を自分でどれだけ集められるか、これが投資スキル向上には必須であると考える次第です。

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